舞台観劇が大好きで、週末はたいてい劇場にいる昭和蠍座生まれのAYです。
週末はたいてい劇場にいると申しましたが、大げさではなく、月に5~10回、年間にすると80回くらい観劇しています。
その大半は「ストレートプレイ」と呼ばれるいわゆるノーマルな科白劇(科(=しぐさ)と白(=せりふ)を中心とする演劇)ですが、「ミュージカル」や「音楽劇」もときどき観ますし、「朗読劇」も好きです。
「オペラ」と「歌舞伎」と「宝塚」はまだ観たことがありません。
また、私の場合は同じ作品に「通う」ことはほとんどなく、1作品につき1回のみ観ます。
つまり80回くらい=80作品くらい観ています。
(例外として、最推し俳優が出演する場合は複数回観ることあり。)
そんな私の目下の関心は、「第31回 読売演劇大賞」の大賞を誰が(あるいはどの作品が)受賞するかということです。
「読売演劇大賞」とは、読売新聞社が主催する演劇賞で、年に一度、この時期に開催されます。
開設は1992年と比較的歴史が浅いのですが、演劇に特化した国内の賞としては、もっとも規模が大きく、(観劇好きには)もっとも有名なものになります。
選考対象は、前年1~12月に国内で上演された演劇作品です。
そう、「もっとも規模が大きく」と前述した所以はここにあって、「紀伊國屋演劇賞」や「菊池一夫演劇賞」なども(観劇好きには)有名なのですが、こちらは「東京で上演された」という条件がつきます。
まぁ、およそ演劇興行というものは東京公演がある場合が多い(むしろ東京公演しかない場合もままある)わけですが、演劇拠点になるような劇場のある地方都市において、地場の演出家や劇団によって、その劇場でのみで上演されるという作品も、少なからずあります。
そういう意味で、「国内で上演された」演劇作品を対象とする「読売演劇大賞」は、「もっとも規模が大きい」といえるわけです。
閑話休題、話を「読売演劇大賞」に戻します。
同賞は作品賞・男優賞・女優賞・演出家賞・スタッフ賞の5部門に分かれていて、作品賞以外は個人が受賞します。
まずは1月中旬に部門別に5名(作品賞は5作品)がノミネーションされ、そのあと2月上旬に部門別の最優秀賞を決定、さらに2月下旬に最優秀賞の中から大賞が決まります。
つまり、このブログ記事を書いている時点において、各部門の最優秀賞まで決まっている状況です。
「第31回 読売演劇大賞」の最優秀賞は下記の通り。
◆最優秀作品賞=『人魂を届けに』
◆最優秀男優賞=山西惇
『エンジェルス・イン・アメリカ』『闇に咲く花』の演技
◆最優秀女優賞=池谷のぶえ
『我ら宇宙の塵』『無駄な抵抗』の演技
◆最優秀演出家賞=藤田俊太郎
『ラビット・ホール』『ラグタイム』の演出
◆最優秀スタッフ賞=松井るみ
『ドリームガールズ』『ラビット・ホール』『ラグタイム』の美術
今回は幸せなことに、最優秀作品賞の『人魂を届けに』はじめ、各部門の受賞理由となっている作品をほとんど観ております。
(最優秀賞の作品をほとんど観ていなくて、後悔する年もあります。)
そこで、大賞を予想しようと思い立ったのですが……うう、決めきれない。
過去30回の大賞受賞歴を見てみますと
最優秀作品賞 12回
最優秀男優賞 4回
最優秀女優賞 6回
最優秀演出家賞 7回
最優秀スタッフ賞 1回
と、最優秀作品賞が大賞に選ばれることがもっとも多く、次いで最優秀演出家賞でした。
実は私の予想も、最優秀作品賞の『人魂を届けに』と、最優秀演出家賞の藤田俊太郎さんで、迷っています。
『人魂を届けに』は、私が大ファンである「イキウメ」という劇団の作品です。
劇団主宰であり全作品の作演出をしている前川知大さんは、第19回 読売演劇大賞(2011年)で、最優秀演出家賞と大賞を受賞しています。
今回は作品全体を評価されて最優秀作品賞に選ばれたわけなので、「イキウメ」として、満を持して大賞を獲ってほしい気持ちが強くあります。
いえ、ファンとしての感情論だけではなく、それに値する素晴らしい作品でした。
「イキウメ」は大雑把にいうとSFにジャンル分けされる作品を多く上演しており、もっというと日常と超常の臨界を描いた物語を、緻密な演出と芝居で立ち上げてきた劇団なのですが、本作は「人魂」という怪異を扱いつつも、現実社会の罪悪を生々しくさらしていて、だけど人の弱さを救ってくれるような作品でした。
ちなみに最優秀女優賞の池谷のぶえさんの受賞理由である『無駄な抵抗』も前川知大さんの作演出です。
そして藤田俊太郎さん。
藤田俊太郎さんは、私の観劇好きのスタート地点でもあり、もっとも敬愛する演出家である、故・蜷川幸雄さんのもとで長く演出助手を務めていた方です。
独立されてからは、外国戯曲、とくにミュージカルを数多く手がけていらっしゃり、読売演劇大賞も、第28回(2020年)に最優秀演出家賞を受賞しています。
ただ大賞はまだありません。
今回の受賞理由である『ラビット・ホール』と『ラグタイム』はいずれも外国の戯曲で、前者はストレートプレイ、後者はミュージカルなのですが、前者はある家族の痛みを繊細に描き、後者は人種を超えた愛を壮大なスケールで描いていて、どちらも深い造詣で戯曲、そしてその背景にある時代や文化を読み解き、美しく豊かな作品として届けてくださいました。
そんなこんなで、非常に悩ましいのですが、タイトルに「大予想」と大風呂敷を広げてしまいましたので、予想したいと思います!
ズバリ大賞は
『人魂を届けに』と予想します!!
なお、読売演劇大賞には、大賞の対象(ダジャレではないです)となる上記の部門賞以外に、以下の賞があり、すでに受賞が決まっています。
◆杉村春子賞=清原果耶
『ジャンヌ・ダルク』の演技
◆芸術栄誉賞=松本白鸚
『ラ・マンチャの男』の演技
◆選考委員特別賞=中村芝のぶ
『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』の演技
このうち、杉村春子賞は、新人に与えられる賞なのですが、これは発表される前から、清原果耶さんに間違いない!と予想しておりました。
約80名のエキストラを率いて戦場に立つ姿は果敢にして凛々しく美しく、まさにジャンヌ・ダルクでした。
最優秀賞の贈賞式、ならびに大賞の発表は2月27日に行われます。
はてさて、私の予想が当たりますかどうか。
AY
《参考サイト》
ウィキペディア「読売演劇大賞」
読売新聞オンライン「第31回読売演劇大賞ノミネート決定」
読売新聞オンライン「読売演劇大賞、最優秀作品賞など決まる」