舞台観劇が大好きで、週末はたいてい劇場にいる昭和蠍座生まれのAYです。
前回のブログでは「第31回 読売演劇大賞 大予想!」と息巻き、惜しいところまで絞ったものの、最後の2択ではずしてしまいました。(前回のブログ記事はこちら)
懲りずに今回も舞台観劇にまつわる話、だけどちょっと趣向を変えて、「推し劇場」について書きたいと思います。
なお、私は勤務地・住居ともに関東圏のため、多く足を運ぶのは自ずと関東圏の劇場になります。
(ときには関東圏外の劇場へ遠征もしますし、もっとも遠方はロンドン、観光ではなく観劇のためだけに遠征しました。)
ひとくちに「推し劇場」といっても、推す観点がいくつかあるので、観点別に。
■舞台の観やすさ「PARCO劇場」
劇場としてもっとも基本的でもっとも大切な「観やすさ」。
PARCO劇場は、前方、後方、上手(かみて)、下手(しもて)、どこの席に座っても舞台の隅々まで観えるという、素晴らしい座席設計になっています。(※1)
劇場によっては、前に座った人の頭が舞台にかぶる席、構造物(柱など)が視界を遮る席、等々、観にくい座席もままあります。
このような席にあたると、非常にストレスです。
当たり前のようでいて、実は当たり前ではないこの点において、私の知る限りPARCO劇場はもっとも秀でた劇場だと思っています。
※1)ただし、舞台美術によっては「見切れ」が生じる場合もあります。
■舞台機構の充実「世田谷パブリックシアター」
世田谷パブリックシアターは世田谷区の施設、つまり公共劇場でありながら、多様な形態に対応できる機構を有している劇場です。
まず、ステージの高さと客席の勾配が可動式になっていて、自由に変えることができます。
ステージの高さを客席最前列と同じ高さにすることもできるので、演劇のみならず、舞踊の公演などにも対応できます。
また、照明装置などの「吊り物」の吊り下げ位置を自由に設定することができるため、作品や演出にあわせた舞台美術と照明プランを実現できます。
さらに、この「吊り物」の昇降は油圧式を採用しているため、静音かつ自在な速度でスムーズに作動させることが可能です。
国内外の劇場施設関係者の視察が多いというのも納得です。
■演劇の街の顔「本多劇場」
「下北沢=演劇の街」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
下北沢には、小劇場と呼ばれる規模の劇場が複数あり、そのほとんどが本多劇場グループの劇場です。
その顔ともいうべき劇場が、1982年11月に本多一夫氏によって銭湯の跡地に開場した本多劇場なのです。
小劇場演劇のメッカともいえるこの劇場に立つことを目標とする劇団や俳優が多いとも聞きます。
演劇好きにはたまらない作品がたくさん上演されており、私が足繁く通う劇場の一つです。
■劇場スタッフのホスピタリティ「東宝系列の劇場(帝国劇場、シアタークリエなど)」
劇場スタッフのホスピタリティのなかで私がもっとも重視しているのは、観やすい環境を整えてくれることです。
座席配置など劇場の構造的な問題以外に、「観やすさ」の障害となりうるのは、実は観客一人ひとりのマナーです。
意外と知られていない「観やすさ」の障害となるマナーの例をあげますと
・つばのある帽子をかぶったままの観劇 ⇒後ろの席の人の視界を妨げます
・背もたれに背中をつけない姿勢で観劇 ⇒後ろの席の人の視界を妨げます
・傘を手すりなどに立てかけておく ⇒倒れると音がします
・スマートウォッチの自動点灯 ⇒点灯すると非常に目立ちます
・ナイロンやビニール素材の衣服/手荷物 ⇒少し動くだけで音がします
東宝系列の劇場スタッフは、開演前や幕間に客席を巡回し、上記のような人に対してこまめに、かつ丁寧に注意をしてくれます。
観客同士で注意し合うと、トラブルになる恐れもあるため、本当に有難いです。
■建物内の居住性「新国立劇場」
劇場建物のデザインが洗練されているだけでなく、広くゆったりと作られていて、心地よく過ごすことができます。
また、飲食店などの商業施設も多数併設されており、開演前や終演後、とても便利です。
■大切な劇場「彩の国さいたま芸術劇場」
私が観劇の楽しさにどっぷりはまったのは、故 蜷川幸雄氏の演出舞台を観たことがはじまり。
その蜷川さんが生前、芸術監督を務めていたのが、彩の国さいたま芸術劇場です。
この劇場で、シェイクスピアが書いた戯曲全37作品を上演することを目指していらっしゃいましたが、残り5作品というところで、お空に旅立たれました。
現在も、演出作品の舞台写真や愛用されていた文具などが展示されていて、訪れるたびに、作品やお姿に想いを馳せます。
以上、私の推し劇場をご紹介しました。
(もっと他の観点でも書けますが、このへんで。)
皆様も観劇の折には、観る作品だけでなく、劇場の個性・特性もぜひ楽しんでみてください!
AY