自信保険

皆様どうもこんにちは、前回衝撃のラストは特に迎えなかった記事を書いたSTです。
(→前回記事はこちら

さて、皆様は自分に自信がありますか?

いきなりなんだという話ですが、では少し聞き方を変えます。

皆様は自分の言葉に自信を持っていますか?
ある場合、その自信はつねにありますか?
あるいは、ここぞというときに自信がありますか?

私はどちらでもなく、自分の言葉に自信が持てません。
自信を持てと言われても無理です。持てません。無理。断固反対。

とはいえ、仕事でもなんでも、ある程度自信を持たないと困る状況もあると思います。
たとえば、お客様との打ち合わせで何か提案するときや、問題が起こったときの対処法など、あまり自信はないけれど、たぶんこれでいけると思います、では困りますよね。
だから、ある程度自信を持つ必要があるというわけです。

自信を持って事を進められるようにしたい、でもやっぱり自信ない、さてどうしようという困った状況。

そんなときは、自信はある(素振りを見せる)が、絶対ではないから保険をかけようという気持ちが働きます。
これが今回のタイトル「自信保険」です。

では「自信保険」とは何か。
皆様もおそらく何度も言葉として発した経験があるのではないかと思います。
「きっと」「おそらく」「たぶん」「大体」「一応」「おおむね」「ある程度」「ほとんど」etc…

上記で挙げた言葉を、「~問題ない」「~大丈夫」のようにして、絶対ではないが一定は保証するというニュアンスで相手に伝える。
このように自信の度合いに保険をかけることを、ここでは「自信保険」と表現します。

では、どの言葉がどれくらい自信があるか、あるいは自信がないかを、まずは私の独断と偏見でまとめました。

《表1》自信度合い表 独断と偏見

表の横軸は自身の度合いで、橙色のマスが多いほど自信があるということになります。
これらの言葉をさらにいくつかのグループに分けてみます。


A.「ほぼ」「かなり」「大抵」「十中八九」(「ほとんど」)
Aグループは自信度合いが高めで、数字で表すなら80~90%自信があるというところでしょうか。
「絶対」は100%自信があるという解釈として殿堂入り(?)とします。
「ほとんど」は、人により自信度合いの振れ幅が大きいような気がしたので、Aグループに所属するかどうかは微妙なところです。


B.「ほとんど」「まずまず」「おおむね」「おおかた」「大体」「ある程度」「おおよそ」
Bグループは自信度合いが普通で、数字で表すなら50~70%といったところでしょうか。
半分程度は自信があるときに使う言葉なのではないかと思います。
人により「ほとんど」「ある程度」辺りは、自信度合いが少し高くなる(~80%くらい)かもしれません。たぶん。


C.「あらかた」「それなりに」「きっと」「そこそこ」
Cグループは自信度合いがやや低めで、数字で表すなら35~45%といったところでしょうか。
あまり自信がないときに使われることが多いと思います。
「きっと」は自信度合いが高い場合(~80%くらい)に使われることもあると思いますが、A・Bグループの言葉と比べると、どこか確証がないように聞こえる気がしたので、あえてこのグループにしました。


D.「おそらく」「たぶん」「わりと」
Dグループは自信度合いが低めで、数字で表すなら10~35%ぐらいでしょうか。
自信がないときに口頭で発することが多いと思います。
メール等ではこのグループの言葉はほとんど記述しないと思います。


先ほど自信保険という表現をしましたが、もしこれらの言葉を使うことにお金を払わなければいけないとなった場合、Aグループ→Dグループにいくにつれ金額が高くなるでしょう。

というのも、Aグループの言葉は、相当自信がある→違ったときの反動が大きい→つまり自らの首を絞めている
という解釈ができ、退路を断っている状況なので、精神的負担が大きい分、金額的負担は大幅に少なくてよいでしょう。

一方、Dグループの言葉は、あまり自信がない→違っても期待度が低い分反動は小さい→心にゆとりがある
という解釈ができ、逃げ道がある状況なので、精神的負担は小さい分、金額的負担は相当かけてもよいでしょう。

と、無理やり保険の話に絡めましたが、無理があったでしょうか。
独断と偏見でまとめた上記A~Dグループですが、では辞書には、どの言葉がどれくらいの自信度合いがあると記載されているのか、調べてみました。

ですが、いずれの言葉も具体的に何%くらい、何割くらいといった数字で表現されている記載は見当たりませんでした。
調べた結果をいくつか抜粋します。

  • ほぼ – 完全に近い状態さま
  • かなり – 相当の程度までいっているさま。平均以上であることを表す
  • ほとんど – あと少しで完成するさま、すんでのところ
  • おおむね – 全体のうち大部分。8割くらい。「大体」「ほぼ」「あらかた」とも言い替えられる
  • 大体 – 全体のうちほとんどの数量を占めていること。「おおむね」「あらかた」「おおよそ」とも言い替えられる
  • あらかた – 大部分、ほとんど全部
  • そこそこ – ある程度には達しているさま
  • おそらく – 確度の高い推量を表す
  • たぶん – その可能性が強いこと。おおかた、十中八九

上記を参考にしたうえで、改めて自信度合をまとめてみました。

《表2》自信度合い表 辞書など参考

唯一、調べた中で数字を用いた表現をしていたのが、以下のWebサイトでした。
▽weblio辞書より「おおむね」

また、以下のWebサイトでは、「きっと」「おそらく」「たぶん」の三語の違いを説明しています。
▽weblio辞書より「たぶん」

独断偏見と調査結果にどれくらい差異があったか、重ね合わせたものが以下のとおりです。

《表3》自信度合い表 重ね合わせ

こうしてみると、私自身の認識と辞書などの意味とでは、わりと大きな誤差があることが分かると思います。

先ほども書いたとおり、具体的に何割という数字での表現が難しい言葉が多く、意味を調べても「大半」「大部分」「全部ではないが、ほぼすべて」といった、あいまいな表現が多かったです。

また「大体」や「おおむね」などが、それぞれ別の言葉に言い替えられるという辞書の記載があるとおり、それぞれの言葉に明確な定義があるわけでもなさそうです。
すなわち、使う人によって割合が異なる言葉たちということになりそうです。

と、ここまで書きましたが、私自身よく考えたらビジネスシーンでこれらの言葉はほぼ使わないです。(「おそらく」はたまに使う)
「何%くらいできたか」「何割残っているか」という具合に、分かりやすく数字で表現することのほうが圧倒的に多いです。
ただし、その数字の正確性は保証できませんが……。

一方で、自信がないという心情も当然のことと思います。
むしろ完全無欠こそありえないです。
多少の粗はあって当然です。
自信がないことをネガティブに捉えるのではなく、人として当然の気持ちを持っているくらいの認識でよいと思っています。

そういうわけで、言葉に保険をかけることもします。
しかしそれは、ある種のリスクマネジメントと言いますか、自信があると言い切れば、もし失敗したときの反動が大きいと思うので、ある種、自分の身を守るための策とも言えそうです。

自信がないから「おそらく」「たぶん」という言葉がつい出てしまった、気にかける必要はありません。
周囲の人と協力しながら、50%くらいの自信を100%にすればよいのです。

それでもやはり自信を持てとおっしゃる方がいるかもしれません。
困った状況です。
自信を持ちたいとは思っていますが、やっぱり自信はないです。
さてどうすればよいでしょうか。

「そんなときは、自信はある(素振りを見せる)が、絶対ではないから保険をかけようという気持ちが(以下略)」

なんだか無限ループになってしまいそうです。

ならば、持つべきところで自信を持ち、自信がなければはっきりと自信がないことを示しましょう。
そうすることで、物事はうまく進むでしょう。おそらく。たぶん。

ST

関連記事

カテゴリー

2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930