舞台観劇が大好きで、週末はたいてい劇場にいる昭和蠍座生まれのAYです。
前回、「推し劇場」という記事を書きました。(→こちら)
そのときに書ききれなかった劇場のことが、ずっと気にかかっていまして。
それは我が地元、池袋が誇る「東京芸術劇場」です。
そんなわけで、今回は東京芸術劇場について書きたいと思います。
東京芸術劇場は池袋駅の西口を出てすぐ、かの有名なIWGP(池袋ウエストゲートパーク)を前庭に建っています。
今年で開館35周年を迎えるこの劇場は、大・中・小あわせて4つの劇場を擁し、演劇をはじめとするさまざまな文化を発信し続けてきた、池袋西口のランドマークです。
駅から地下通路を通って行くこともできますが、35年前にはまだ珍しかった巨大なガラス壁の外観を楽しむためには、ぜひ地上から訪れていただきたいです。
正面入口を入ると、地下1階から5階までの吹き抜けになっている大きな広場のようなアトリウム。
ガラス壁から外光が降りそそぐ、開放的な空間です。
建築家・芦原義信による設計で、4つある劇場すべてのエントランスが、このアトリウムに面しているところも素敵なところです。
それでは、4つの劇場を紹介します。
まずは5階にエントランスがある大劇場「コンサートホール」。
おもにオペラやクラッシクコンサートが催されています。
1階席、2階席、3階席とある客席は、あわせて1999席。
2000席に足らない1席は、音楽の神「ミューズ」のために取ってあるとか。
何を隠そう私の成人式の式典もここで行われました。
ただ……ふだんオペラやクラッシクコンサートを観ないため、私がコンサートホールに入ったのはその1度きりです。
「音響家が選ぶ優良ホール100選」にも選出されているそうなので、いつかまた入場してみたいです。
続いて2階にエントランスがある中劇場「プレイハウス」。
1階席と2階席あわせて834席あり、主にストレートプレイやミュージカルなどが催されています。
プレイハウスの特徴はなんといっても、劇場内の側壁がレンガであること。
実は2012年に改修される以前は別の壁材を使っており、台詞が聴き取りにくいという問題が指摘されていました。
その問題を解決すべく、初代芸術監督である野田秀樹氏が、吸音性に優れたレンガを側壁に採用したそうです。
側壁をレンガにすることで、余計な反響を防ぎ、台詞の聴こえがよくなったとのこと。
プレイハウスでは、話題の演劇作品が年間を通じて多数上演されており、私が足繫く通う劇場の一つです。
そして地下1階に並ぶ2つの小劇場「シアターイースト」と「シアターウエスト」。
その名の通り、東側にシアターイースト、西側にシアターウエストと並んでいて、入口もそっくり。
けれど、2つの劇場はその造りに決定的な違いがあります。
シアターウエストはプロセニアム形式といって、舞台と客席が「プロセニアム・アーチ」と呼ばれる構造物(=段差や緞帳等)で区分けされている形式です。
舞台が額縁のように切り取られるので、「額縁舞台」とも呼ばれます。
なお、上述のコンサートホールとプレイハウスもプロセニアム形式です。
一方でシアターイーストは、オープンステージ形式といって、舞台と客席の境界がなく、自由な舞台設計が可能です。
たとえば、中央に設けたステージを挟むように客席を配したり、前方から縦長にステージを設けて三方を客席が囲んだり、というように。
演目や演出意図にあわせて、両劇場は使い分けられるのですが、対になる公演を同時に上演することができるのも、シアターイースト/ウエストの醍醐味。
たとえば、2024年春には、フランスの劇作家フロリアン・ゼレールによる家族トリロジーのうちの2作『La Mere 母』と『Le Fils 息子』が、両劇場で同期間に交互上演されました。
(2作はメインキャストが同じであるため、昼公演と夜公演とで交互に上演されました。)
興業の規模はプレイハウスより小さくなりますが、シアターイースト/ウエストでは良質な演劇作品がいとまなく上演されており、演劇好きにはなくてはならない双子の劇場、私も大好きです。
以上、続・推し劇場でした!
AY