なぜ私がIT業界にいるのか考えてみた

PLのKJです。

掲題について、なぜ、この業界で今までやってきたのか、かれこれ17年前の新卒当初を思い出し、文章として書き起こすことにしました。

私は専門学校卒業後、従業員10名程度の小さなソフトウェアハウスに入社しました。
上司(プロジェクトリーダー)の下で、VB.NETやSQLを勉強しながら、クライアントサーバ型の業務システムの開発に従事しました。
最初は画面や帳票のプログラミングから行い、次第に基本設計、詳細設計、DB設計もできるようになり、業務システムを構築する基本的なスキルが身に付きました。

入社3年目、私の上司は某大規模プロジェクトのメンバーとして顧客先に常駐するようになり、自社に出勤しなくなります。
上司と連絡がまともに取れなくなり、実質的に上司が居ない状態になりました。
(当時はスマホなんてものは当然ないし、就業時間中、個人の携帯電話は室外のロッカーに施錠して管理されていました。)

それから暫くして、同じ部署のベテランSE(以下T氏)が病気療養のため退職されることになり、T氏が担当していた某財団法人の基幹システム構築プロジェクトが、若手の私に引き継がれました。

IBM社の「AS/400」で構築された業務システムを、「Windows Server」に置き換え、ソフトウェアは「.NET Framework」でスクラッチ開発するという案件です。
開発工数は40人月位だったでしょうか。自社としては規模の大きなプロジェクトでした。

T氏とお客様(以下Y氏)は20年来の付き合いで、信頼関係を築かれていました。
そのおかげもあって、私もY氏に懇意にしていただき、ワーカーホリックと言われてもおかしくないほど仕事に専念しました。
Y氏と何度かサシで飲みに行く間柄にもなり、その度にプロジェクトについて思いを語り合うほどでした。
このように、仕事に対するモチベーションはすごく高かったのですが、逆比例するように、仕事への責任感が私のメンタルを下げていきました。

当時25歳の私はプロジェクトをマネジメントする技量がなく、にもかかわらず私を管理する人がいなかった為、自分自身で大量の仕事を抱え込み、心がいっぱいいっぱいの状態になってしまいました。

システムリリースまでなんとか完遂したものの、当然のように運用保守も私が担当することになりました。
個人の携帯番号をY氏に教えていた為、問合せやトラブルなど、深夜でも休日でも電話がかかってくる状態でした。
その結果、私は精神的にダウンしてしまいました。

そして会社を退職することになります。

その後、SES派遣会社で5年間ほどの経験を経て、今の会社に転職しました。
プロジェクトの一メンバーとして参画した後、プロジェクトのリーダー(PL)となるわけですが、若手の時の経験から、お客様との直接的な折衝が要求されることに、初めのうちは不安がありました。

しかしその不安は直ぐになくなりました。
業務遂行スキルが上がったこと、経験を積んで自信がついたこともありますが、職場環境が変わったことで、自然と考え方が変わったのだと思います。

「新卒で入社した会社の組織体制は異常だった」と気が付いたのは転職した後のことで、仕事上の報告・連絡・相談など、エスカレーションできることが当たり前ということに気が付くことができました。

ただ最初の会社を退職するまでの5年間、責任感というプレッシャーは辛かったですが、反面、上から管理されていない分、色々な意味で、無茶苦茶に好き放題に仕事ができました。
この刺激的な経験が無かったら、恐らく他の業界を彷徨っていたと思います。

難しいことって挑戦したら挫折しますよね。
私もすぐ挫折してしまう人です。
だから、まず簡単な小さいものを作って、それらを組み合わせていく。
「小さなパーツ」作りを繰り返していき、組み合わせることで「大きな仕組み」が出来上がる。
マインクラフトやパズルゲームのような感覚で開発を楽しんでいます。
純粋にソフトウェアをアーキテクトすることが楽しいと思っていることが、今もこの業界に居続けられている理由です。

KJ

追伸 私から引き継がれた人。若気の至りで大層な遺産を残してしまい、申し分けない!

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